設計の話ーー“建てる前”に決めたこと、諦めたこと
基礎工事が始まる前に、
今回は「設計の話」をしておこうと思います。
セブンのためのガレージ小屋。
でも、それは単なる“車庫”ではなく、
生活の中にどう組み込むか、どう守るか、どう見えるかを考えた、
小さな建築計画でもありました。
そして、設計には「理想」と「現実」があります。
今回は、どんなことを考えて今の形になったのか、
そして、どんなことを諦めたのかを記録しておきます。
① 高さを抑える(北側の隣人の日照を考慮)
やはり隣家への日照は気になります。
北側には、こちらより地盤が1mほど高い住宅があり、ご近所さんです。
当然、こちらが高い建物を建てれば、もろに日照へ影響します。

これからの長いお付き合いを考えると、
できるだけ影を落とさないように、高さを抑える努力をするのは当然の配慮だと思いました。
結果的にコストダウンにもつながります。
本音を言えば、平面が狭い分、
高さを1.5層くらいにして、明るく広がりのあるガレージ小屋にしたかったんです。
法チェックもして、天空率も確認して、
「法的には建てられる」ことも分かっていました。
でも、今回はあえて諦めました。
ミニマム路線でいく。
屋根の一番高いところの高さと、隣家の土地からの高さが
おおよそ 1.7m 、目隠しの柵が立っていて、その柵の上からだと0.3mくらいで収まるように調整。
これにより、8時〜16時の日照への影響はかなり小さくなりました。
② 居間の窓から覗けること
ちょうど居間に、1間幅の腰窓があります。
この位置と同じラインに、ガレージ小屋側にも開口を設けました。

もちろん、雨が吹き込む可能性はあります。
ただ、建物同士の隙間は200mmほどしかないので、
実際にはそこまで影響はないだろうと判断しました。
居間とガレージ小屋では床高さが違うため、
居間と同じ高さの窓にはなりませんが、
セブンを覗くことはできます。
家に帰ってきて、ガレージ小屋の扉を開けると、
必ずセブンが目に入る。
そして、居間にいても、ふと視線を向ければセブンがいる。
生活の中にセブンが“視界として存在する”
そんな小さな喜びを設計に組み込みました。
③ セキュリティの配慮
セブンが止まっているのを、あまり外から見られたくありませんでした。
盗難リスクを下げたいというのが一番の理由です。
それに、ほこりやゴミが入るのも避けたい。
そのため、
シャッターと扉は必須でした。
● 電動シャッターを選んだ理由
セキュリティ面では電動のほうが有利です。
出るときは手で押して出ることが多いでしょうから手動でもいいのですが、
問題は「入るとき」。
バックでそのまま入りたい。
そのときに、
- シートベルトを外して
- 手をフレームについて
- 足を外に出して
- さらにもう片方の足を出して…
といった動作を毎回やるのは、正直面倒です。
だから、電動シャッター一択でした。
価格差は 9万円。
なんとか許容できる範囲です。
● 玄関扉の選定
本当に欲しかったのは、
木製のカフェっぽい扉でした。

木製ドア WOOD DEPOT / 木製玄関ドア ID-627
ただ、40万円近くします。
今回はコストダウンのため、泣く泣く断念。
せめてものこだわりとして、
シャッターと同じメーカーにして、
アルミの色を揃えることで統一感を出しました。
● フェンスの配置と仕様

元の設計では、ガレージ小屋本体と同じように、
基礎を作って土台を置き、柱梁を組んで、
外壁と同じガルバリウム鋼板で仕上げる予定でした。
しかし、これもコストダウンのため変更。
- フェンス用の独立基礎に変更
- 外装と同じガルバリウム鋼板を貼って仕上げる(DIY予定)
DIYなので、正直きれいにできる自信はありません。
でも、高さは2m程度まで上げる予定です。
最近は物騒な事件も多く、他人事ではありません。
セキュリティに完璧はありませんが、
- 入りにくいように
- 入られた時のことも別途考える
この3段構えで対策していきます。
■ 計画変更とコストダウン(現実編)
① 10㎡未満にダウンサイズ
せっかく建築確認申請を取ったので、本当はそのまま着工したかった。
ただ、見積りを詰めていく中で、どうしてもコストが気になり始めました。
いろいろ検討していくと、
平面が10㎡に近づいていることが分かり、
「どうせなら、いっそ10㎡未満にしてしまおう」
という判断に至りました。
10㎡未満にするメリットは、単に部材が減ってコストダウンできるだけではありません。
- 建築確認申請に付随する 完了検査が不要になる
- 検査のための 書類・写真整理が不要
- 工務店や職人さんの 手間が減る(=見えないコストが下がる)
この“検査対応がなくなる”というのは、実はかなり大きい。
どれくらいコストが下がるかは数字に出にくいものの、
現場の負担が減るというのは確実に効いてきます。
もちろん、平面が小さくなるので、
本当にミニマムなガレージ小屋になってしまいます。
でも、それもまた良し。
「必要なものだけを残す」という意味では、
むしろこのサイズ感がしっくりくる気もしています。
② 三角の吹抜けの中止


元の設計では、
明り取りとして三角形の小さな吹抜けを用意していました。
居間側からセブンを見たとき、
その向こうに光が差し込んでいるほうが雰囲気がいい。
ちょっとした遊び心でもありました。
シャッターを閉めていても、
風が通り、光が入って、
きっと気持ちのいい空間になるはずだったと思います。
ただ、これもコストの面で断念。
構造が複雑になり、
板金の納まりも難しくなり、
施工費も上がる。
「気持ちよさ」と「現実」のせめぎ合いの中で、
今回は現実を選びました。
③ シャッター側の斜め部分を小さく

少しでも広くしたいという思いから、
シャッター側の壁を斜めに伸ばし、
間口を大きくしていました。
ただ、セブンをしまうためのスペースとしては、
そこまでの広さは不要だと判断。
そこで、斜めの長さを短くし、
シャッターの間口もコンパクトにしました。
これにより、
- 斜めの部材が短くなる → 材料費が下がる
- 施工がシンプルになる → 工事費が下がる
- 構造的にも無理がなくなる → 安全側に寄る
という、三拍子そろったメリットが生まれました。
結局建築確認申請をして、工事届けも出したのに、取りやめ届けを提出。今までやっていて、二回目でした。この届出を出したのは。この先は、建築確認申請不要ですが、何をやってもいいのではなくて、建築物なので、建築基準法に則った作りにしていくことを誓い、このプロジェクトを進めるのでした。

次回は、このブログになくてはならない登場人物のことを書きます。(本人の承諾もいただいています。)【ガレージ小屋編・特別編】【第9話】このガレージ小屋は、店長さんとの出会いから始まった


