■ 制約は“敵”ではなく、“設計の出発点”
ガレージ小屋を建てると決めたとき、
最初に向き合ったのは「制約」でした。
敷地の狭さ、建築法規、既存建物との関係。
それらは自由を奪うものではなく、
**設計を始めるための“条件”**だと考えています。
ここから、私の“現実との対話”が始まりました。
三つほどポイントがあります。
【一つ目】建築関連法規は守る
― 元設計士として、ここだけは絶対に外せない
ガレージ小屋を建てると決めたとき、
最初に向き合ったのは「法規」でした。
敷地の広さ、既存建物との関係、道路との距離。
小さな小屋ひとつでも、守るべきルールはたくさんあります。
むしろ小さいからこそ、
“どこまでがOKで、どこからがNGなのか” が曖昧になりやすいです。
■ 10㎡未満でも、建築基準法は守らなければならない
これは、どう表現していいか少し悩むのだけれど、
最近はYouTubeでDIYの小屋づくりをよく見かけます。
10㎡未満だから確認申請が不要、という話はよく聞きます。
広い敷地だから、だれにも迷惑をかけて無い!?
でも——
10㎡未満だからといって、
建築基準法を守らなくてよい、という法律は存在しない。
もし近隣の方や役所の方から
「これは違法建築です」と指摘されれば、
撤去せざるを得ない可能性もあります。お金と手間暇かけて作ったガレージを壊す!?
そして何より、
地震や火事のとき、本当に安全なのか?
そこに置くのは、セブンという大切な存在。
失ってからでは遅い。
だから私は、
“趣味だから”で済ませたくありませんでした。
確認申請を取るのは当然の流れでした。
■ 確認申請のポイント
ここからは、イラストを使いながら説明します。
● ポイント1:構造的に“別棟”とした

既存の家の柱や梁を利用して屋根や壁をつくる方法もあります。
しかし、それをやると——既存遡及という考えに従うことになります。
- 既存の家も含めて再度確認申請
- 24時間換気設備の設置
- 構造計算で検証必要
- 基礎も一体化が必要
趣味でやるには、あまりにも荷が重いです。お金もかかります。
そこで私は、
完全に独立した“別棟”として設計しました。
これにより、
既存建物への影響を最小限にしつつ、
法的にもシンプルに整理できました。
● ポイント2:道路斜線の緩和を「天空率」でクリア
専門的ですが、関心ある方は、どうぞ はじめての天空率 – 生活産業研究所株式会社
ガレージ小屋は道路に近い位置に建てる必要があります。
すると、道路斜線制限に引っかかります。
30年前に家を建てたときにはなかった制度ですが、
今は 「天空率」 という設計手法が使えました。
PCで専用ソフトを用いて計算し、
天空率で斜線をクリアできたことで、
ようやく設計が前に進みました。
■ まとめ:法規は“敵”ではなく、“設計の出発点”
小さなガレージ小屋でも、
いや、小さいからこそ、
法規を丁寧に読み解く必要があります。
制約は、自由を奪うものではない。
**安全と安心を守るための“条件”**だ。
その条件の中で工夫することこそ、
DIYの醍醐味でもある。
次回は、
②【ガレージ小屋編】【第3話】小さな敷地に、セブンを迎えるための設計制約【二つ目】
について書いていきます。


